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 食生活が豊かになり、高度化したといわれるようになって、かなりの年月を経ています。食品産業にかかわる従事者数が、一次産業の農・漁業者数をはるかに上回り、日常の食卓を既製食品が支配する力がより強まっているのが現状であります。
 家庭での食事、あるいは外食において、新しい加工食品がその利便さのゆえに広く流通し、生産も加速されるのは時の流れでありましょうが、一方では、古来の、日本の伝統食品が、優れた品質、それを支える技術にも拘わらず、つぎつぎに失われてゆくという実態も、また見逃し得ないところであります。
 伝統食品は、特定の誰かがつくり出したものというよりも、多勢の人びとで時間をかけ、いわば磨きをかけて後代に遺されてきたものであります。それだけに、地域による特色もあり、つくり方の中にも理に叶った技術が潜んでいるのであります。
 農産、水産等を問わず、伝統の名を冠した食品が数多く市販されているのは確かですが、外観体裁は似ていても、本来の姿からはほど遠いものが少なくありません。量産化、機械化のなかで、真の技法が省略されていることもあり、かえって、評価を落とすような危惧すら感じられます。
 私たちは、伝統食品の品質・技術を再現させ、日本人の健全な食生活に寄与してきた過程の中で先人が到達したわざをできるだけ解明し、記録し、報告して、ひいては現代の食品加工技術にも寄与したいと考えた次第であります。本来あるべき食品の製造技術を体得され、実践されてこられた、いわゆる職人の方々は、いまや70才、80才の高齢に進まれ、技術についての談話等をうかがうことも、年を追って困難となっています。正確な伝承についても、もし努力を怠るならば、貴重な技法の復活、製品の再現が極めてむずかしくなることをおもい、ここに、同憂同好の方々のご参加を願い、伝統食品技術の調査、研究のための会を組織することにいたしました。
 この趣旨をおくみとり頂き、本会にご賛同、ご参加をお願い申し上げます。
昭和59年2月1日
日本伝統食品研究会

 

       
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